#自選10短歌集2023 に参加しました

 

 

こんにちは。おばけちゃんです。

【好きなものと短歌と過ごした一年。】 #自選10短歌集2023|鷹野

↑今年も自選10短歌集に参加させていただきました。2021年から今回で参加は3回目になります。鷹野さん、いつも素敵な企画と編集をありがとうございます。🥰

2023年は詠んだ短歌がちょっと少なかったかな〜という年でしたが、せっかくなので一つずつ解説のようなものを軽くしたいと思います。

 

f:id:satouchan:20240106233545p:image

 

 

1.まなじりのラメが撃ち抜く心の臓 飛び出せ星よ 燃やせ舞台を

短歌アンソロジー『アイドルが好き』に投稿した一首。コンサートの時にアイドルと目が合う一瞬を切り取ったもの。「まなじりのラメ」は文字通りラメでもいいし、汗、涙、そこに反射する照明、ペンライト、何でもいいです。目が合ったあの瞬間にときめきが心臓を飛び出して、舞台の下に広がる星になればいいな。

ところでこの短歌を詠んだ後に、実際にコンサートでアイドルと目が合ってまさしくこれじゃん…!!となりました。奇跡。ラメの一粒は永遠になる。

 

 

2.祝福が響く宇宙は愛だけが神になるのを許されている

NEWS EXPO最終日に向けて詠んだ短歌。NEWS EXPOのコンサート会場、絶えず「おめでとう」が溢れる場所だったんですよね。ファンはもちろんだけど、NEWSの3人自身が20周年を迎えたNEWSに向けて「おめでとう」と言っていて、上手く言葉では表現出来ないけどそれがすごくNEWSファンとして嬉しかったな。それってNEWSそのものに対する愛じゃないですか。NEWSを愛している人しかいない、まさに「愛してるだけの国」だったあの空間が本当に大好きです。これからも伝えられるだけ「おめでとう」を大好きなNEWSと伝え合っていきたいですね。

 

 

3.好きだよ 二度上がったほっぺの色を運命と呼ぶ日があったこと

アイドル短歌題詠「来世」から。別に頬の色が赤くなったところで恋でもなんでもないのですが、その現象にふさわしい名前がつくことがあったという日々が好きだったよ、みたいなことを言ってます。誰かのことが好きで…というよりは恋に恋してました、という短歌でした。

あとはストレートに「好きだよ」で始まる短歌を詠んでみたかった。文字では好きってよく言うけど、実際口に出して好きだよと言うことなんて滅多にないのでこの短歌音読するのめっちゃ勇気いると思う。(そっか)

 

 

4.戻りたい過去にしたくて笑ってたあの子を撫でる手はあたたかい

「令和元年、冬」と題して詠んだ一首。文字通り、私が過ごした令和元年の冬を題材にしています。昔オルタネートの読書感想文をブログで書いた時にも触れていたのですが、とにかく私は自分の中学時代が嫌いでなんとか高校生活を楽しみたいと思っていました。それで幸運なことに私の高校生活は本当に楽しかったのですが、「この楽しさはこれからの人生でもう二度と経験できないものなんだろうな」と心のどこかでそういう虚しさを抱えていたのもまた事実です。今、振り返ってみると確かに高校生活は戻りたい過去なのですが、あの頃抱えていた虚しさを慰められるくらいには今もちゃんと楽しいよ、と言えるくらいには大人になれたよという短歌です。だから高2の頃の私に今会えるとしたら、これからも大丈夫だからね、と頭を撫でてあげられるくらいの気持ちはちゃんとあるという歌でした。

 

 

5.おもいでは瞳のように 見つめればもう触れられぬ生温かさ

アイドル短歌題詠「おもいで」から。これは3首の連作だったので一つだけ抜き出すとやっぱり自分の中で違和感ありますね…。連作では思い出を「パズル」「瞳」「桜」に喩えてそれぞれ詠んでいます。3首とも、思い出は今、もう直接触れ合うことはできない切ないものとして詠んでいる少し寂しめの短歌でした。

あとこれは手癖の話になってしまうのですが、体の一部とそれから連想される動詞を微妙にずらす表現がめちゃくちゃ好きなのでよく使ってます。この短歌はその手法を上手く使うことができたのでお気に入りです。抜き出してきた理由はそれです。この短歌、めちゃくちゃ好きです。

 

 

6.報われる日を待っている 君だけが寂しい日など来ませんように

アイドル短歌題詠「さよならを言うために」から。あるアイドルとのお別れに際してさよならを言うために詠んだ短歌の一つでした。寂しさの中にひとりぼっちで残されるのは、誰だってつらいだろうから、そういう時は一緒に寂しくなって隣にいてあげたい、いてあげたかった、という愛と祈りの歌です。彼はもう、寂しくしていないだろうか。

 

 

7.優しさを名乗って首を絞める度ぼくは銀河のはじめになれる

「恋と愛」を題材にして詠んだ連作から。おそらく未発表か、1回Twitterに載せて消したか、そういうやつです。これは「愛」を題材にして詠んだ方の短歌です。恋愛、家族愛、友愛、敬愛などではなく、性愛をテーマにしています。愛の形は人の数と同じだけ存在する、と私は思っていますが…

 

 

8.「君だけを愛していたよ」地の底で答え合わせのキスをしようね

杏湯さんの短歌企画「地獄めぐりの旅」に投稿した一首。超〜〜〜〜お気に入りです!!私色をふんだんに詰め込めた短歌かなと思います。私の真骨頂。私MAX。これは私の分身と言っても過言ではない。そんなんだから地獄に落ちちゃうんだよ、と言われても仕方ないくらい欲望にまみれた歌を詠みたかった。「君だけを愛していた」の言葉の真偽は、地獄でキスをすることで舌の有無により判明する、という歌です。これ出来た時まじで天才かもかもど〜しよう!?と思った。

 

 

9.次に会う時は銀河の真ん中で 百年先の予定を立てて

未発表作。NEWS EXPOで見た「100年前から」の演出をテーマに詠んだ一首です。銀河を映したスクリーンの奥で歌う3人が本当に綺麗だったな、この曲に銀河の映像合わせるのめちゃくちゃ分かるなあと思った。思い浮かぶ景色が静かなんだけど壮大なんですよね。いや〜100年前から、よかったなあ。早く円盤でも見たいです。

 

 

10.来世でも今世でも星が違くても愛しい君を見つけてあげる

アイドル短歌題詠「もう会えない人へ」から。全ての愛しい人に向けたラブレターのような歌でした。今世でもう二度と会えなくなっても、来世で巡り会えなくても、住む星が違ったとしても、こんなにも愛しく愛しく思う人のこと、忘れたりなんかしないからね、という約束の歌です。ファン目線の歌でもあるし、舞台の上目線からでも読めることは読めるんじゃないかな。二つの視点で楽しめる歌を作れたんじゃないかなと思います。

 

 

さて、2023年の自選10首はこのような感じになりました。星や銀河、宇宙を詠んだ短歌がすごく多かったので、ミッドナイトブルーを選んでいただけてすごく嬉しかったです。ピッタリだ〜〜!!!!とうきうきしました。ありがとうございました。

2024年は連作をたくさん作りたいですね。上半期は忙しくなりそうですが、ちまちま短歌を詠めるように頑張っていくぞー!おー!✊

 

最近の好きな曲集めたよ

にゅすはずっと好きなので今回は省くよ

BTSがめちゃくちゃ多いよ

ただのメモだよ

順番はランダムだよ

 

課題に疲れた人のただのメモだよ!!!!

 

 

 

 

BTS(防彈少年團)

 

Butter

BTS (방탄소년단) 'Butter' Official MV - YouTube

言わずもがなだよね!なんならカムバトレーラーをリアルタイムでちょっと見た。

最初の5分くらいだけ見て離脱して、残り30秒くらいから合流して「Butter」って出るの見たんよね〜1時間ぶっ続けで見る気力はさすがになかったけど、ドキドキ感すごかった。カウントダウン好き。

スタイリッシュだけどお茶目でキュートな感じもあってシンプルに良い!色味も可愛い!軽率なので黒とイエローのお洋服欲しくなった。MVのジャージのシーンのジョングク氏、髪色補正かかりすぎて色味エグくてso good

 

 

 

RUN

BTS (방탄소년단) 'RUN' Official MV - YouTube

中3の時に体育祭で踊ったので……

これ曲っていうよりMVが好きかも。

途中のトンネルの中で暴れるシーンがあまりにも若くて痛々しい。好き。しみる。実際にあんなことやられたら最悪ですけどね…社会から外れた不良少年たち……花様年華すぎるだろ。映像のトーンが全体的に暗めなのもむちゃくちゃ良い。全部通してこのMV痛々しすぎる。ティザーもいいので見てくれ。BTS (방탄소년단) 'RUN' Official Teaser - YouTube

私はティザーで使われているRUN-balled ver.-が好きだ!!!!!RUNはこのくらい湿っぽいアレンジがとんでもなく合う!!!なぜなら花様年華シリーズがあまりにも湿っぽいからな!!!はっっっ!!!!!!

 

 

 

I NEED U

BTS (방탄소년단) 'I NEED U' Official MV (Original ver.) - YouTube

でしょうね。

 

 

 

FAKE LOVE(Rocking vibe ver.)

BTS (방탄소년단) 'FAKE LOVE' Official MV (Extended ver.) - YouTube

わざわざExtended ver.を持ってきたのには理由があります。このバージョンに使われてるのはオリジナルじゃなくてロックバージョンなんです……そして私はこのロックバージョンが本当〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜にチョア。チョア。(???)(にわか韓国語)

イヤホンできくと低音の効きが半端じゃなくて鳥肌立つ。Love you so bad〜♪からのメロディーが好きすぎて正味そこ聴くがためにFAKE LOVEきいてるみたいなところある。

これもティザー良すぎて気失う。BTS (방탄소년단) 'FAKE LOVE' Official Teaser 2 - YouTube

ティザーにここのメロディー使うんだ〜〜〜♡♡♡って思った。私もティザー作る人になりたい

 

 

Black Swan(Orchestra ver.)

BTS (방탄소년단) 'Black Swan' Art Film performed by MN Dance Company - YouTube

この曲好きすぎてレポートの題材に使ったし、なんならサビだけ踊れるよ。(?)

オケのアレンジがあまりにも…あまりにも……オケアレンジが豪華になりすぎず、でもちゃんと壮大さがあるの、まじで何??ポップス???とは??????

高貴だけど地獄を感じられていいですね…地獄というか死……

オケバージョンサブスクで欲しい……

 

 

 

Pied Piper

Pied Piper - YouTube

全てを見透かされている!!!

困ったな〜…これは歌詞ちゃんと調べた方がいい…あっちは全部知ってるぞ……「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」ですよ皆さん………

一回沼ったらもう帰って来れないんだよね…タイトルのパイドパイパーって詳しく知らんけど、笛吹きながら子供連れてってそのまま帰って来なかった人…みたいなのじゃなかったっけ?いやBTS怖………

 

 

 

EGO

BTS (방탄소년단) MAP OF THE SOUL : 7 'Outro : Ego' Comeback Trailer - YouTube

J-HOPEさんがJ-HOPEである所以はここにあるんだなって思った一曲。

さすが名前に希望を背負う人だな〜って感心してしまった。この曲でJ-HOPEさんのことめちゃくちゃ好きになったみたいなところある。

ってかJ-HOPEさんのソロどれも好き〜〜〜!!もしかして嗜好似てるんかもしれん 知らんけど

 

 

 

Boy Meets Evil

BTS (방탄소년단) WINGS 'Boy Meets Evil' Comeback Trailer - YouTube

はっはっはっはっはっはっ………(絶命)

 

 

 

Butterfly(Prologue mix)

BTS (방탄소년단) 화양연화 on stage : prologue - YouTube

夜にこの曲きくのやめた方がいいです。夜中Twitterで私が激重ツイーヨしてる時大体この曲きいてる

 

 

大吹打

Agust D '대취타' MV - YouTube

歌詞ひとつも分からんけどなんか聞けてしまう

途中のチュ〜ンチュンチュンチュンチュンチュンみたいなところ好き(伝われ)

 

 

Savage Love(BTS remix)

BTS (방탄소년단) 'Savage Love' (Laxed – Siren Beat) [BTS Remix] Lyric Video - YouTube

この曲ききながら眉毛剃らない方がいいです

 

 

 

Lie

Lie - YouTube

いい三拍子だ

ノーブル…私が好きでしかない無感情ディストピアノーブル(?)

これWingsの時のショートフィルムもま〜〜〜〜じで癖ド真ん中すぎるのでもはや罪ですよ

BTS (방탄소년단) WINGS Short Film #2 LIE - YouTube

 

 

 

Go Go

Go Go - YouTube

タンジンジェムタンジンジェムタンジンジェ〜ム

 

 

 

 

 

 

ENHYPEN

 

FEVER

ENHYPEN (엔하이픈) 'FEVER' Official MV - YouTube

い〜〜〜〜〜〜〜〜〜やシンプルに好きすぎるやろ!!!どうなっとるんやこれ

毎日きいてます 好きなので

メンバー全然覚えられない。早く覚えたい。ニキくんとジョンウォンくんだけ分かる。

というかそんな若い子にこんな…こんな退廃的な曲歌わせるなよ……………ニキくんなんてまだ15歳か16歳とかそこら辺やぞ………赤ちゃんじゃん……ノエコシッポ〜じゃないんよ……

 

 

 

Given-Taken

ENHYPEN (엔하이픈) 'Given-Taken' Official MV - YouTube

いい三拍子だ その2

イントロが大優勝楽曲ですね…

 

 

 

 

 

JO1

 

Born To Be Wild

JO1|'Born To Be Wild' Official MV - YouTube

カラオケで完コピするって友達に約束してしまったから最近爆リピしてる曲のひとつ。

河野純喜くんの声圧!!!って感じ 好き

 

 

 

MONSTAR

JO1|'MONSTAR' PERFORMANCE VIDEO - YouTube

イントロで「勝ったな…」って思ってしまった

このくらいのテンポの曲が好きなんかもしれん

 

 

 

 

 

他こまごまと

(アルファベットで人名打つの時間かかるのでカタカナ表記にしました)

 

リビアロドリゴ

deja vu

Olivia Rodrigo - deja vu (Official Video) - YouTube

曲調が好きできいてたんだけど、最近歌詞しっかり読んで、重すぎて死んだ。一人で電車乗ってる時にききたいな〜感傷に浸りたいよね…浸るような感傷は大してないんですが……

 

 

チャーリー・プース

We Don't Talk Anymore

Charlie Puth - We Don't Talk Anymore (feat. Selena Gomez) [Official Video] - YouTube

好きすぎて本当に毎日10回は聴いてると思う。ジョングク氏とジミン氏がカバーしてるのももれなく好きです。よくそんな高い声出るね……

これも失恋の曲。恋は叶わない方が好きです。普通に曲がかっこいいだもん…YouTube26億回再生でびびっちゃった…

 

 

PENTAGON

SHINE

[MV] PENTAGON(펜타곤) _ Shine(빛나리) - YouTube

(おめーは流行りしかきかんのか)

ジリリ…ジリリ……ジリリ…………

 

 

 

 

 

こんなもんかな…多い…BTSで尺を取りすぎている気がする……

好きな音楽は飽きるまでひたすら聴くタイプなのでなかなかジャンルが広がらないんですけど、最近はなんとなく洋楽もきこうかなっていう気にはなってます。あとBTSも日本語字幕あんまり出ないから英語の勉強がてら外国の曲きこうかなっていう…そういう気持ち。

もしかしたらまた増えるかもしれない。

 

……課題やるか

読書感想文 -オルタネートを読んで-

 

 

 

 

 

「私は、私を育てていく」

 

高校三年生、この狭い世界から旅立たなくてはならない時が近づいている。ひしひしと迫る現実に逃げるようにして私はこの物語を読んだ。どうしても、高校生のうちに読んでおかなければならないと思った。読んで、感じたことを残しておかなければと思った。

 

 

オルタネートというアプリが高校生のステータスとなる世界で、蓉たちが求めていたものは『特別』な存在という立場ではないかと思う。

高校生限定のオルタネートという一つの世界。自分を見つけてくれる人を探し、繋がりを求め、彼らは「フロウ」を送る。オルタネートを利用していなかった蓉だって結局誰かを求めている。

 

彼らの、誰かを求め、狭い世界を生きる姿にどうしても共感して、同じように苦しくなってしまう。

なぜなら私もまた、彼らと同じような世界を生きているからである。

 

 

 

高校という閉ざされたコミュニティの中で、私は幸いにもほぼ何の不満もなく3年を過ごした。

陰鬱な中学時代を自分の力で蹴飛ばして、猛勉強の末に入学した憧れの学校。誰も自分のことを分かってくれなかった環境__正しくは誰にも自分のことが分からないと信じ込んでいた馬鹿な自分___を変えたかった。中学になんてクソみたいな思い出しかない。あんな所、燃えてしまえばいいとさえ思った。

 

私が入学したクラスは少し特殊で、男女比率が少し片寄っており、3年間クラス替えはない。○組です、と言えばちょっと一目置かれる。そんな感じのクラスである。

だからといってどうということはない。特別勉強ができるかといえば別にそうでは無いし、アクティブさにも欠ける。ただ、私はそんなクラスがとても好きだった。

流行りを追いかけるわけではなく、かと言って極度に内向的になるわけでもなく、ただ、一人一人が好きなように生きている。だからきっと私のクラスにいる人の内、ドルガバの歌を知ってて歌える人なんて半分もいないだろうし、ましてや音楽に乗せて可愛く踊る動画をアップする人気のあのアプリなんて、一体何人がインストールしているのだろうか。

 

 

そういう、世界だった。

別に自分の好きなように過ごしていても、それはそれで良かった。何をどう思われるか、中学の時のように自分の行動一つ一つに過剰に気を配る必要もなかった。自分のままでいられた。

不自由なく、一人の高校生として3年間を過ごした。これ以上楽しい3年はこの先もう無いだろうとさえ、感じている。私は幸せ者だ。

 

 

 

だけど、心の底にひっそりと渦巻く満たされない気持ち。これが「特別になりたい」という感情ではないかと思う。

 

ただ特別になりたいわけではないのが厄介だ。ただ特別な存在になりたいのならば適当に彼氏作ってリア充アピールするか、もしくは見た目を少し派手にして学校に行くのもいい。学校内に限らず、どこかに自分の書いた文章を応募してみようか?話題になれば有名人だ。

 

だけど求めているのはそんなものじゃない。

 

 

特別な存在になりたい。だけど、みんなと同じでいたい。

 

高校生とは、そんな相反する二つの感情を抱えたものだと思う。

オルタネートはそんな高校生の奥底の欲望を満たすツールなのではないか。

もしも私が住む世界にオルタネートが実際に存在したのならば、私は間違いなくそれに登録し、気になる人に「フロウ」を飛ばし、校外に恋人を作っていただろう。誰かの特別な存在になるためにみんなと同じ手段を選ぶ。そうすることによってその相反する二つの欲望は満たされる。

 

だけど、それは本当に満たされたことになるのだろうか?例えば恋人を作ったとして、それはただの独りよがりではないのだろうか?

複雑に捻れ合う厄介な二つの感情は、なかなか解決しようとはしてくれない。それでも「オルタネート」の中の彼らは瑞々しく、眩しいほどに青春を駆けていく。私はそんな彼らの姿を目で追って、やるせない気持ちに駆られた。

 

 

 

私は果たして、彼らのように涙が出るほど爽やかに、何かに全力を注いだものがあったのだろうか。

蓉が料理に魅せられたように、一生懸命に部活をしたわけでもなく、凪津がオルタネートを信奉し、そこに確かな出会いを求めたようにコンテンツに身を沈めきったわけでもない。尚志が音楽にのめり込み、かつての幼なじみを追い求めたように誰かを自分の好きなことに必要としたわけでもない。何かに全力を注ぐ彼らはその対象が何であろうと、美しかった。

私は彼らのように「美しい」高校生でいられたのだろうか?

 

「楽しかった」という思いで満たされれば満たされるほどそんな疑問が溢れてくる。私はちゃんと、私を育てられたのだろうか。火をつけて燃やしてしまいたかったあのクソみたいな中学時代から、私は何か変われたのだろうか。

特別になりたい。この感情を満たしてくれるのは、何だったのだろうか___

 

 

 

この物語を読み終わったあと、1番最後のページを見た。そこには作者の経歴が書かれていた。

それを読んだ途端、ハッとした。

 

私を一瞬のうちに特別にしたもの、それは物語の作者である加藤さんの存在だった。

 

特別になりたいという感情と、みんなと同じでいたいという感情を抱え、子供と大人の間で彷徨う高校生たち。甘酸っぱくて苦しい、綺麗なだけじゃない色んな感情が混ざり合う世界で自分自身を育てる高校生たち。

彼はこの物語を「間違いなく僕の物語です」と語った。

 

ならば私は、この物語を読み、彼らに共感し、自分を振り返り、苦しみを覚える高校生の私は、オルタネートを通して加藤さんの感情に触れ、同じだと思ったことになるのではないだろうか。

 

ここに、加藤さんのファンとして加藤さんが書く物語を読むことの醍醐味があると私は思っている。

煌びやかなアイドル、手の届かない世界にいる人が、確かに私と同じような感情を抱いていた。私が憧憬の眼差しで見つめる彼は、同じ気持ちで私を「特別」な存在にしてくれた。

 

そのことに私は、「希望」を見出すのだ。

 

 

 

子供でも大人でもない中途半端な3年。どちらかというと子供よりでも許される3年。だけど大人になるための準備をしなければならない3年。

「生長するためには何かを失わなければならない」

私はこの物語を通し、自分自身の高校生活を重ね合わせ、振り返った。当事者だと思った。これは、私の物語でもあるのかもしれないとさえ思った。

そんな物語を書く彼が、私は好きだ。

 

 

この物語はこれからも、私の心の拠り所となっていくのだろう。

 

上手くいけばあと3ヶ月と少し。

私はこの物語で、私を育てていく。

 

 

 

 

 

 

____________

 

 

本の感想っていうよりほぼ自分の感情ぶちまけただけになってしまったので反省しています…。

出来るだけ加藤さんが書いたという事実は意識しないように読もうとは心がけてるんですけど今回ばかりはダメだった。どうしても加藤さんが書いているということが頭から離れてくれなかった。書いてる人に希望を見出してしまうのも、不本意かもしれないけど。

 

 

だけどやっぱり、加藤さんが書く物語は私にとって希望です。

本人にこの感想は届かなくていいと思うけど(純粋に恥ずかしいので)(というかそもそもこんなところにぶちまけて届くわけない)、確かに加藤さんが書く言葉に支えられている人がここにいます。

 

何回も何回もこれから読み返します。その度に今とはまた違う感想が出てきてあー!ブログ書き直したい!ってなるんだろうなあ…それでもこの感想文は加筆修正せず、このままにしておこうと思います。

 

さーてさて!勉強をするぞ!(地獄)

 

 

 

 

おしまい

自分で自分のアイドル短歌を鑑賞するブログ

 

 

J31gateさんのアイドル短歌企画に、第8回「星」から参加させていただいていました。毎月の密かな楽しみだったのですが、第15回を節目にお休みされるということで、改めて第8回から詠んできた自分の歌を自分で解説とは言わないものの、今一度「鑑賞」(漢字あってる?)してみようと思います。

 

 

 

_____________

 

 

 

第8回「星」

026 増田貴久

 

銀河中駆ける光で君が縫う衣は太陽よりも眩しく

 

 

初めてJ31gateさんの企画に参加させていただいた時に詠んだ増田さんの歌。

Twitterでは上記のように説明したのですがまあ、そのとおり…笑

 

増田さんが作る衣装って、ただ色味が素敵だとか形がかっこいいとかそれだけじゃなくて、一つ一つに意味が込められているんですよね。

瞬く星のように煌びやかなNEWSの衣装を構成しているのは、増田さんが見る世界、つまりここで言う「銀河」を舞う星屑たち。些細なことでもそれを一つのアイデアとして衣装に取り入れる増田さんの感性にいつもハッとさせられます。

 

 

 

 

第9回「体」

061 増田貴久

 

飽きるほど甘いマシュマロその隙間 溶けた声だけ食べてるわたし

 

 

これお気に入りです。変態の歌。(変態)

「マシュマロ」と書いて「くちびる」と読ませています。ルビ遊びに挑戦しました。🙈💖

増田さんのマシュマロリップが本当に大好きで増田さんの顔の1番好きなパーツは唇(即答)なんですけど、この歌はそんな私の増田さんの唇に対する感情をエイッ!って放り込みました。

増田さんの頑健で男性らしい喉、腹の奥から生み出されるのは、空間を「温度」で包む優しくて甘い、まさにマシュマロのような歌声。

私を太らせる高カロリーボイス……

 

 

 

 

 

第10回「水」

049 増田貴久

 

雷が落ちても傘が破れても雨やまないね だから、笑って

 

 

 

これもお気に入り。結句めっちゃ考えた。

「水」というワードを聞いて一番に思い浮かんだのは雨。雨といえば傘、雨といえば雷、雨といえば雨宿り………Thunderや。

ということで増田さんのソロ曲、Thunderについての歌を詠みました。

かの夏目漱石が「I love you.」を「月が綺麗ですね」と翻訳したエピソードはあまりにも有名ですが、何気ない(何気ないかは分からんけど)言葉が実は別の意味を持っている、というのがすごく好きでそんな言葉を歌に使えないかな〜と考えている時にたまたま「雨がやみませんね」というのを見つけたんです。

本当にその言葉が正式に「もう少し傍にいたいです」という意味を表すのかどうかは不明ですが、どれだけ彼に雨が降り注ぐ時でも、風に煽られる時でも、びしょ濡れになってでも風邪をひいてでもいいから彼に傘を手向けてあげたい、ずっとアイドルでいる覚悟を持った彼を見続けていたい、という思いを込めたつもりです。

だから一見意味が通ってないように思える「だから、笑って」という言葉も実は別の意味で考えると割と妥当かも……というやつです。いや分からん、妥当じゃないかも。

皆さんはどう思いましたか?

 

 

 

 

 

第11回「街」

093 増田貴久

 

クッキーで生きれる場所であることを願い見上げた 街頭ビジョン

108

君が要る眠らぬ街に君が居る朝を夢見たわたし、待ち人

 

 

 

増田さんはお給料クッキーだし、トイレには行かないし、おしりは割れてないし、東京ドームに住んでいます。本当です。

つまりあのG○CCIもクッキーで購入しているということ…ゴチの自腹も全てクッキーでお支払いしている……(以下略)

 

私が住んでいる地域は残念なことに街頭ビジョンがありません。あるかもしれないのですが見たことありません。なので建物にくっついている液晶パネルにすごく憧れがあります。雑踏の中で見上げた時に、自分の好きな人が映っていて、それを見ながら彼が今日も健やかに生活出来ることを祈る…というような、ちょっとエモい感じになりたいなぁ〜って思うよね。うん。だって田舎だもん。ここ。

 

2つ目の歌はお気に入りです!実際に声に出してよんでみると楽しい。愛着が湧く。「待ち人」も街とかけてる私なりの遊び心です。

Twitterで言ってた「目覚めぬ町」とはまさに私が住む街頭ビジョンが存在しない場所のこと。目覚めぬ町にも、眠らぬ街にも、君が居て、君が要る人がいます。

 

 

 

 

 

 

第12回「対」

008 増田貴久

 

来世ではただの他人になれるかな もう背は合わぬ「運命」の人よ

 

 

この歌には、本当に様々な感情を込めました。だけど一番この歌に思うのは「怒り」です。一ファンでしかない私が怒りを抱くのは不適切なのかもしれません。だけど、6月から渦巻く怒り、悲しみ、憎しみ、やるせなさ、そして、愛しさ。ただでさえ塞ぎ込む時期にこんなにもたくさんの感情を抱えることは、私には出来なかった。

だからこの歌にある種自分で自分の「救い」を見出したのかもしれません。

 

Twitterで少し長めの解説というかこの歌にまつわるあれこれを説明させてもらったのでここで改めて言うような新しいことは特にないのですが…うーん、やっぱり暗い歌詠んじゃったなぁ〜😔ってちょっと反省しましたね…。

 

彼らが出会ったのは間違いなく「運命」だったと思っていますし、ここで袂を分かつことになったのもまた、「運命」だと思ってます。ただそのニュアンスはやっぱり少し違っていて、あえて彼らの顛末について説明するのならば、

 

The two having been tied by "destiny" were left by "fate".

 

といった感じでしょうか。全然正しくない英語かもしれないからまあ、ニュアンスだけでも伝わったら嬉しいんですけど…

この先おそらく彼らがまた二人で歌うようなことはないでしょうし、私自身、あくまでも個人の考えですが今の状態ではもう、歌ってほしくはないと思っています。

だけど、彼らが二人で奏でた音楽は確かに輝いていて、すごく素敵なものでした。

だから私が彼らに願うとするのならば、彼らが「二人で一つ」だった時間が、憐憫とか同情とか一方的な後悔とか、そんなよごれた感情じゃなくて、いつまでも、ただ純粋に「綺麗だった」と言われ続けますように、ということです。

 

タグ検索して色々な方の歌をぶわーって見てた時にこの歌の感想を述べてくださる方が何人かいてくださって、とても嬉しかったです。もしこの歌を知って少しでも何か心に残るものがあったのならば、この上ない幸いです。

 

 

 

 

 

第13回「動物」

016 NEWS

 

羽根をたたむとも忘れず カナリヤに祈らせてくれ もいちど飛ぶ日

 

24時間テレビでカナリヤの初披露を見てほぼ衝動的に詠んだ歌です。

羽根をたたみ、地面でかつて飛んだ空を見上げたか弱い鳥。それは新たな姿に生まれ変わろうともがく希望をも表す。

3人が地に落ちたなんてまったく思ってないしむしろますます跳ね上がってるよ!というくらいだけど、もしも彼らが羽根をたたんで途方に暮れる時があった時、私に出来るのはきっと、ただ彼らがもう一度華麗に飛ぶ日を祈ることだけなのです。

 

カナリヤが地上から見上げる空の色はきっと澄んだ青色。だから大丈夫。

 

 

そして選外〜〜〜!!!出そうかどうしようか迷って結局出さなかった選外もこの機会に置いておきます!

 

月 水面 夜をくすぐるうつつの尾 駆けろ赤馬 清く 気高く

 

赤馬…ずばりWORLDISTAのしっぽスーツを着たNEWSを詠んだ歌です。月が浮かぶ夜、水が滴るあの空間でしっぽを振り回し華麗に舞った彼らがとても美しかったのでその情景を詠んだつもりです。これもどちらかといえば語感を大事にした感じ。割とお気に入り。

 

 

 

 

 

第14回「纏う」

040 NEWS

 

「今まで」にスワロフスキーを纏わせた君を未来でまとうと決めた

 

 

クローバーネックレスが発売された時に、四つ葉のクローバーに9つのスワロフスキーが刻まれていて言葉には表せない重たい感情がずしんと心に乗っかったのをよく覚えています。それが本当に彼らの「今まで」を象徴しているのかどうかは分かりませんが、その数に惹かれてしまうのは彼らを好きでいるからこその性なのではないでしょうか。

人数など関係ない。彼らがNEWSであり続けてくれるだけでいい。彼らがNEWSとして紡いできた物語が私たちの目に触れる時をずっと待っていたい。ただの私の独りよがりかもしれないけど、そんな気持ちを込めました。

 

あ、ちなみに「まとう」のワードは……

いや、やっぱり自分で言うの野暮だからやめとこ。みなさんのご想像にお任せします♡♡(?)

 

 

そしてまたまた選外〜〜〜〜!!!

衝動的な歌。この歌に理性は存在しません。突発的にこんな歌を詠みたくなる時もある。

何に何を纏わせるか、と考えた時に「体」に「衣服」や「香り」をつけるのではなく、もっと奥の「心臓」にフォーカスをあてて「肉体」全部が「心臓」を豪華に飾っているという捉え方をしてみても面白いのかな、と思いました。本当は心臓を飾るものだけじゃなくて心臓までちゃんと好きになりたい。そのくらいの覚悟が欲しい。

 

 

 

 

 

 

第15回「live」

045 増田貴久

 

声に触れたい まなざしに溺れたい じかに聴きたい 君の鼓動を

 

この歌は、NEWSのライブに行った時のことを思い浮かべて詠みました。目的語と動詞があえて不自然になるように作ったのがお気に入りポイントです。うふふ。

コンサートってやっぱり1番じかに、肌で好きな人たちの体温を感じられる場所だと思うんですよね。いくらマイク越しとはいえ近くで発せられる声をその場できいて、彼らが客席の近くまで来ればファン一人一人を見つめてくれるそのまなざしを眺める時間は本当に何にも代え難いものです。

彼らの脈拍の音までなんて聴くことは出来ないけれど、彼らが私たちにみせてくれる世界を、彼らの鼓動を感じられるくらいこちらも真摯に受けとめたい。

この歌はアイドルに対する私なりの「誠意」でもあるのです。

 

 

 

____________

 

 

以上です!ふぅ〜〜〜長かった!ワラ

J31gateさんに投稿する歌はどれもこれも私にとって本当に愛着のあるものなんだなあと改めて思いました。

短歌にすることで自分の行き場のない感情を昇華することも出来たし、31音という制限の中でいかに情緒溢れるものにするかという思考力もかなり向上したかもしれない…と感動しております。

 

本当に素敵な企画をありがとうございました!毎月DMで優しい感想をくださる企画主さまに救われてました…😭

もし今後、またこのような歌集を企画してくださる時は私もぜひぜひ!参加させていただきたく思います!

 

 

改めて、J31gateさんに感謝を込めて。

ありがとうございました!

ここまで読んでくださった方もありがとうございます!

 

 

 

おしまい

読書感想文 -ピンクとグレーを読んで-

※はじめに※

これは、加藤シゲアキ作 小説『ピンクとグレー』を読んだ学生の読書感想文という設定のブログです。が、まあまあ私情を挟むのでキモチワルイです。ええ。

あらすじのネタバレを含んでいますので、閲覧はご注意ください。

また、ここでは一人称を「僕」とさせていただきます。(その方が書きやすかった)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイトル『ピンクとグレーを読んで

☆年☆組 ☆☆番 おばけちゃん

 

 

    僕は17年生きてきた中で、一度も芸能界に入りたいと思ったことはない。しかし、僕はテレビを見ることが昔から好きだった。テレビの中で歌を歌う人たちを昔から僕はたくさんみてきているし、たくさんの人々を笑わせる人たちもたくさんみてきている。僕には、好きな芸能人がたくさんいた。

中学一年生になる少し前、僕はある芸能人の虜になった。僕は漠然と、彼のある芸能界という世界に興味を持った。別にそこに行きたいというわけではなかったが、彼がそこで輝いてるという事実に、幼いながらとても憧れていたのは本当だ。

 

    僕はその時に初めて「ジャニヲタ」というものを知った。「ジャニヲタ」というものはとても面白くて、対象となる人物をただひたすらに好きでいさえすれば、それで成り立つのだ。僕の場合はそうだった。

僕の対象は、軽快な関西弁を話すスタイリッシュなお兄さんだった。僕が彼のことを好きになった時点で、彼はすでに世間に名を馳せる有名なトップアイドルだった。僕はそれがとても誇らしくて、彼の立場がすごく恵まれていると感じた。僕は彼を幸せだと思った。実際、彼も幸せそうにしていたから、僕は彼のことを幸せなんだと信じた。

 

    僕が「ジャニヲタ」になっておよそ一年が経った頃、『ピンクとグレー』の映画が公開された。僕はその時、彼と同じ事務所で彼と仲が良かった人が書いた小説が映画になるという喜びで、この映画をみに行きたいとせがんだ。同じく「ジャニヲタ」だった姉に一緒に行こうと言った記憶がある。(嘘かもしれない)

姉は__僕が「ジャニヲタ」になるきっかけとなった人物だ__一足先に友人とみに行ってきたのだが、『ピンクとグレー』をみたいと言う僕にただ一言、「あなたには早すぎる」と言ったのだった。まだ中学一年生だった僕にはその言葉の意味が分からなかった。だったらいつかテレビで放送してくれるだろう、これだけ話題になってるし、実際売れてるんだから、と言えば彼女は内容が内容だからなあと呟いて、「まあ気になるんだったら本読んだら?」と言った。

それほどまでに彼女が、僕が『ピンクとグレー』を知ることについてあまり良く思っていなかった(と僕は感じていた)理由が、その時はまだ分からなかった。

 

 

    それから僕はしばらく『ピンクとグレー』を読むことはなかった。買ってまで読みたいわけではなかったし、それ以前に読みたい本がたくさん積み重なってしまって、なかなか読む機会が無かったのだ。

結局僕が『ピンクとグレー』を読んだのは、中学三年生になった春だった。

僕はまだ、関西弁の彼の「ヲタク」をやっていて、まあアイドルファンなら読んでおくべきか、もうそろそろ読んでもいいだろ、という気持ちでその本を手に取ったのだった。

 

    結論から言えば、僕はアイドルに、しかもファンじゃない人に、顔とか歌とか曲とか衣装とか、そんなものじゃなくて、言葉で殴られた。輝くアイドルに言葉など必要のないものだと勝手に思っていた子供の自分が心底馬鹿だったことに気づいた。脳天を言葉でガツンと殴られて、僕は一瞬「ジャニヲタ」としての気を失った。

僕は、芸能界に入りたいと思ったことは無い。だけど少なくとも僕の好きな彼は、僕が入りたいとは思わない世界で幸せに暮らしていると信じていたし、この本を書いた彼の友達も、もちろんそうであると思っていた。

だけど僕は、芸能界という世界なんて何があるのか分かんないんだとその時初めて気づいたのだ。

 

    僕はその当時、この本を書いた作者の経験してきたことをよく知らなかったので、ごっちはごっち、りばちゃんはりばちゃんとして受け止めて、それを咀嚼した。誰がモデルで…とかは考えなかった。

ただ、ごっちはとても繊細で、何より美しい人物だということは分かった。ごっちの魅力はどこかに漂う奇妙さだが、それ自体は気味が悪いものなのだが、ごっちという人物が纏うことで美しい装飾品になる、といった感じだろうか。

それに対し、りばちゃんは面倒くさくてどちらかといえば僕の住んでいるこちら側の世界の人だったと感じた。

りばちゃんはごっちのような奇妙さを持ち合わせてはいなかったし、無論、もしりばちゃんがその奇妙さを纏っていたとしてもそれは違和感でしかないだろう。

ごっちはアイドル、りばちゃんは人間だと思った。だから僕はごっちのことを理解できなかったし、りばちゃんに共感を抱いた。僕は人間だから。

 

「やらないなんてないから。」

そして、僕はこの言葉に強く胸を打たれた。中学三年生の僕にとって、この言葉は先生たちが受験生になる僕たちに与えるどんなものよりも、僕を奮い立たせてくれた。「やらないなんてない」と言うには、相当の覚悟がいる。その覚悟を背負ったごっちが、ごっちのお姉ちゃんが、子供の僕には眩しく見えた。僕もその覚悟を決める勇気が欲しいと思った。僕にはやらないという選択肢は無い。どこかのCMの決まり文句のようだが、この物語を読んでから僕の心の底にはずっとこの言葉が根を張って、自覚のないまま僕を励まし続けてくれていた。だから僕はこの言葉が好きだ。

 

 

 

    それから色々あって、僕は『ピンクとグレー』の作者のファンになった。彼が『ピンクとグレー』という物語を書いたことも含めて、彼のことがアイドルとして好きになった。

彼のことは何も知らないはずだったのに、僕は彼の経歴を知るうちに、なぜか昔からそれを知っているような感覚に陥った。最近までその理由は分からなかったのだが、先日、彼のファンになってから初めて『ピンクとグレー』を読んだ時に、それは案外すぐに明らかになった。

りばちゃんの生い立ちが、ほとんど彼と重なっていたのだ。僕はそれに気づいた時、名探偵になった気がした。

僕はりばちゃんを作者自身に重ねていたのではなかった。作者自身をりばちゃんに重ねていた。

つまり、僕の心の中には、中学三年生の時に知った、僕たちの住む世界にはいないりばちゃんという存在が根底にあり、それを前提として無意識のうちに作者の彼のことを好きになったのだった。自分でも不思議だとは思うし、そんなの嘘だろ!と今でも思っているが、きっとりばちゃんが僕に与えた世界は予想以上に僕を侵食している。

 

    彼のファンになって読む『ピンクとグレー』は、中学三年生で読んだ時よりもはるかに苦しく、悲しく、そして涙が出るほど綺麗だった。

ごっちも、りばちゃんも、それは紛れもなく作者自身だった。

ごっちもりばちゃんも、「加藤成亮」と「加藤シゲアキ」の2人の人間を背負う作者自身の姿だった。ならば、芸能界で「白木蓮吾」として輝くごっちが「加藤シゲアキ」で、人間らしく葛藤をみせるりばちゃんが「加藤成亮」なのかと問われれば、僕はそれは違うと思った。

 

    僕は、ごっちが「加藤成亮」と「加藤シゲアキ」の両方を背負う人物だと思った。

そしてりばちゃんは「加藤シゲアキ」だった。

ごっちが「鈴木真吾」ではなく「白木蓮吾」として輝き始める瞬間は、「加藤成亮」がどこにもいなくなることの象徴ではなく、「加藤シゲアキ」が「加藤成亮」を追い抜かすことだと感じた。

だからある意味、ああ、「加藤成亮」はまだ存在しているのだと心のどこかで安心したのだ。

 

 

 

    そして、僕がこの物語を読んでずっと気になっていることは、死の描写がやたらと細かいことだ。僕は人の死ぬ瞬間を見たことはない。まして、自ら命を絶った人の姿など、僕は知らない。

死なんていくらでもデフォルメしてぼかすことが出来るのに、作り話の中なら「死んだ。」の一言で死なんて表すことが出来るのに、彼は死を、とても細かく、印象的に、そして冷静に描いた。

だから僕はこの物語を読むと、背筋の凍る思いをする。彼はもしかしたら、どこかで死を望んでいたのかもしれないと、そう感じるのだ。

アイドルとしての死は、そのまま死を意味するのだろうか。彼はこの物語を書いた時、少なからず頭のどこかに死という選択肢を持っていたのだろうか。それでもそれは出来ないと、だからごっちに全てを託したのだろうか。

ごっちが、彼自身の願望だったとしたら。ごっちの最期を含む全てが、彼が白木蓮吾という人物に託した彼自身の思いだったとしたら。

僕はそう考える度、彼をもっと愛したいと強く思うのだ。

 

 

 

    僕が彼のファンになって、まだ日は浅い。だけど僕は彼を深く深く知りたいと日々強く願っている。僕は、アイドルと人間の二つの姿を背負いながら、その狭間で物語を紡いでいく彼がどうしようもなく愛しい。そのままを綺麗な言葉で伝える彼の文章が、本当に好きだ。

僕は住む世界の違う彼の全てを理解することは出来ない。これからもきっと、理解することは無い。しかし、この物語を読むことは彼を知るための大切なものの一つであることは間違いない。この物語をきちんと読むには相当の勇気がいる。だけど、逃げちゃいけない。だって彼が、「やらないなんてない」と言うから。

彼が人生を振り返った時に、楽しかったと笑えるように、僕はファンとして、彼の見る景色にほんの少しだけでもいいから光を足してあげたいと思う。

 

    僕はこれからも、彼を愛していく。そして、彼が守りたかった仲間のことも、もちろん。3年ぶりにこの物語が僕に与えてくれたのは、あなたを愛することの「覚悟」と「約束」だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___________

 

文字量!!!!

全然読書感想文っぽくないむしろただのオタクのポエマーブログじゃんって思ったじゃん。じゃんじゃん。

ピンクとグレーねえ…初めて読んだ時と感じ方が全然違ってびっくりしちゃった。少し成長したからかなあ?私中学生の時結構アホだったからなあ…(今もさほど変わりませんけど?)

あくまでも個人的解釈だから、ピンクとグレーは各々が読んでみることが多分一番いいと思います。私もまだまだ読みたい!だって加藤さんの書く文章めちゃくちゃ好きだもん!

ただ、読んでてやっぱり私はアイドルが好きなんだなあと思いました。関西弁の彼にしても、加藤さんにしても、4人にしても、私は幸せそうなアイドルが大好きなんですよ。だから彼らにはずっと幸せでいてくれないと困る。たかが17のガキが何言うとんねんって自分で思ったけど。

要は、好きってことよ。それだけ。

私のそれだけにはこんだけ詰まってるって思っていただけたら大丈夫です。

さ〜てじゃあ次はBurnを読もうかな!!私はしばらく加藤シゲアキ作の世界に浸ることにするよ。

 

おしまい。

 

 

 

 

 

 

絶望的に素晴らしいこの世界の真ん中に僕は君と共にある。

加藤シゲアキ作  小説『ピンクとグレー』より

STORY おばけちゃん's ノーツ

 

 

 

お前それクラ〇ドのパクリやろ!!!

正解〜!!!😆✌🏻

これは私のメモ程度なのでじっくり読む必要は全くないです!別に読まなくても大丈夫です!ちょっと恥ずかしい書き置き?みたいなやつなんで!

解釈のしかたも各々好きなようにやってくだされば幸いです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.STORY

Kラジで初解禁され、何度か聴いてはいたものの、やはりアルバムの1曲目として聴くSTORYは至極。

これから始まるぞ、というテーマパークの入口のようなワクワク感やスピード感が相まってこれこそが四部作の「結」を担う世界のオープニングに相応しいのだと私たちに訴えかける。

 

 

2.SEVEN

1曲目のSTORYに続きスピード感をそのままに会場を盛り上げるNEWSの姿が思い浮かぶようなアッパーチューン。激クール!最高!

コールアンドレスポンスを「みんなでつくる物語」っていうアーティストはじめて見た!!好き!!!!

 

 

3.SUPERSTAR

去年の10月からずーっとテレビで聴いてた曲。音源化待ってた!

イントロのストリングスが強い。なんとなくWORLD QUESTを彷彿とさせる。ただ、SUPERSTARには余裕が感じられる。彼らが歌うこの曲には前に進む強さと同時に、優しさがあるのだ。

その優しさに救われる人も少なくないのではないだろうか。

 

 

4.We Never Gave Up -Interlude-

加藤さんの語る過去はいつだって苦しい。

それは「もしも今○○だったら」という話だからかもしれない。

加藤さんの心の中に残る過去は、人間的な悔しさなのかもしれないと、感嘆詞の多いこのトラックを聞きながら、私はただ受け止めるしかないのだ。

 

 

5.何度でも

ソラシゲで初解禁された時はイントロで電波不調かと思った。違った。(バカなの?)

こんなオシャレな曲に乗るのがあんな歌詞だなんて!!!!!それも向井太一さんがNEWSのライブ映像を見ながら書いたものだなんて!!!

NEWSの世界は柔らかいんだなあと感じた1曲。

 

 

6.What is Love? -Interlude-

愛がどんなものなのかを小山さんに問うあたり、……………ってなる。うん、うん、って知らぬ間に相槌打ってた。コワ

 

 

7.STAY WITH ME

出た〜〜〜!!!少プレで解禁されてからもう既に10回は聴いてる!!好きすぎて!!

純粋にNEWS4人の歌唱力が光るね!

私は増田さんのパートの「他の誰かじゃなく 君を笑顔にする準備は万端」の「君」に、NEWSをただただ愛する人たちが含まれていてほしいと願う所存です。そして、厚かましいけど、そこに私も入っていたらいいな…とこっそり思った。

泣きたくなる。好きが溢れて泣きたくなる。大好きだよ〜〜〜

 

 

8.Perfect Lover

Digital Loveの続編!?!?って一瞬思っちゃった…(デジラブ大好き芸人)

エスもすごいがこれも結構すごくない?(語彙力)

サビのAh...が気になってしょうがないぜ!あれは小山さん?聞き分け能力皆無だから誰か教えて!!!

 

…と思ったらクイズ〜〜〜〜!!

NEWSのPerfect Loverになるためにはこのクイズに全問正解しなければならないと、つまりはそういうことですか?

頑張ります。

 

 

9.Love Story

私らデロデロに甘やかされてるな……

 

 

10.Commitment -Interlude-

「こだわり」ということがあまり好きではないと語る増田さん。どこまでも「アイドル」を貫き通す彼の姿に惹かれたんだと再確認したインタールードだった。

……と思いきや途中から一気に不穏な空気に…?「アイドルが愛を奪い取る 超リアルな熱…The answer is……」

あーーー!!そうだ次は!!!

 

 

11.エス

うわあ〜〜〜〜〜!!!!(死)

これを聴いて死ななかった人はどんなメンタルをお持ちで??????

いや〜好き!治安悪めのNEWSほんと好きです!今回はかなりやばい方向に振り切ってますねえ!!

これ以上言ってもこの曲に関してはもう「やばい」「死ぬ」以外の言葉が出てこないのであとは各々NEWSの『エス』に狂ってくれ〜!!!

 

 

 

12.トップガン

これ以上オタクをいじめるのはヤメロ!!!

 

 

 

13.Prime Time Of My Life -Interlude-

手越くんに恋をする1分43秒。

君の声、もっともっと聞かせてほしいな。と思う優しい1分43秒間です。

 

 

14.君の言葉に笑みを

自意識が邪魔をする曲。なんとかフルできくことが目標。色々この曲には詰まってるんだね。言葉に笑みをくれてありがとう。

 

 

15.クローバー

ここへきて希望〜Yell〜を引っ張ってくるNEWS……………(遠い目)

増田さんの歌う歌詞が珍しくフワフワしていなかったと感じた。「辛くなるなら、聞かなくていい」と冒頭で言われて、辛くならない自信はなかった。だけど聞いた。だってNEWSのこと大好きだから。

なんかね、もう言葉にできない。繰り返される希望〜Yell〜のメロディーに心がぎゅうっと苦しくなった。

彼らはどれだけの紆余曲折を経てきても、必ず「はじまり」を心に抱いている。

世界が全部、四葉のクローバーで埋まってしまえばいいのに。

ねえ、そう思わない?

 

 

 

16.NEW STORY

背中を押してくれてありがとう。

やはり、NEWSのつくるSTORYは美しい。このアルバムの締めくくりが『新しい物語』であることに私は心から安らぎと期待を感じた。

To be continuedの文字がこれほどまで恋しいのも、彼らならではのことなのだろう。

 

 

 

ソロ

1.戀 (Vocal.増田貴久)

「月が綺麗ですね」

なんて返すんだったっけ、「死んでもいいわ」だったかな?

あなたが なんでもない僕 ならば、私はそこら辺の霞です。

それでも「なんでもなくない君へ」と歌ってくれる増田さんにうるっときた。私あんまり歌聴いて泣かない人なんだけどなぁ…

情景が全部思い浮かぶ。静かで少し、寒い夜に聴きたいな。私の住んでるところじゃ4月はまだ寒い夜だからあと1ヶ月は直接体感しながら聴けるね。やった。

本当に愛しかったら涙が出るんだってさ。人間は案外可愛い生き物なのかもしれない。

 

 

2.Narrative (Vocal.加藤シゲアキ)

クセツヨ!!!

期待を裏切らない加藤さんの楽曲に、どこかで安心している自分がいた。ヤドリギデウス・エクス・マキナ、今回も私は加藤さんの言葉で少し賢くなれたよ。

加藤さんは、向上心が強い人だと感じた。暗いとか屈折してるとか、そんなの今はどうでもいいから、ただ加藤さんを理解したいという気持ちだけでこの曲を、私は聴きたい。

もっと真っ直ぐ、加藤さんに向き合いたいと思った。

 

 

3.STAY ALIVE (Vocal.小山慶一郎)

超絶クールじゃん!!!!

さすがだよ。小山さんほんとにカッコイイっすね。痺れた。しっとり系が続く中でめちゃくちゃいいスパイスで、目が覚めた。

そうだよ〜Stay alive とにかく生きよう!

 

 

4.プロポーズ(Vocal.手越祐也)

式場をすぐに教えてください!!!

いやもう手越くん可愛すぎでしょ。何なの?去年「世は舞台〜人は皆役者〜」って叫んでたお人形さんは一体いづこへ!?!?!?

手越くん本当に優しい人だよね…可愛い人だ…可愛くて真っ直ぐな人………コンサートできいて公開プロポーズ感味わいたい……結婚式呼んでね………

 

 

 

まとめ

馬鹿みたいなことしか書いてないし!語彙力最悪だし!!

でも、とにかくこのSTORYはNEWSが好きっていう気持ちで全てが上手くいく感じがするんです。

NEWSの4人と私たちだけの世界というか、約束というか、希望というか、…

ああ、それこそクローバーなのかも。クローバー押し花にして、STORYに挟んでおいたらどこまで歩いてきたか分かるんだね。

想像することがみちしるべ であると同時にクローバーもまた、みちしるべ なのかもしれない。

 

私は多分、NEWSが歌う「感情」が好きだ。そう感じたアルバムだった。

本当はもう少し丁寧に考察をしたい。が、今なぜか忙しいからとりあえずこれくらいにしときます。

 

 

 

みんな!!!

NEWSに恋してSTORY買おうぜ!!!!👍🏻

 

 

おしまい

だって君が好きなんだ

 

 

 

 

 

「生きがい」とまでは言い切れず、それでも「趣味」の範疇に入れるにはあまりにも大きすぎる君の存在に、私は怒ってる。

君を好きになったのは私だ。だけど私を好きにならせたのは君だ。こんなにも好きにならせて君は一体どうしたいんだ。教えてくれ。

 

 

 

 

 

君が好きすぎて毎日辛い。

暇さえあれば君のことばっかり考えてるよ。ノートの片隅は君の顔と君が歌う言葉と、君が作った衣装ばっかり。最近は片隅どころかもう真ん中に侵食してる。友達にノート貸せなくてちょっと困ってる。ふいにくる友達からの「ノート見せて」が怖い。だけど君のことが好きだから、自分で描いた君を消すことは出来ない。

 

 

 

 

 

君が好きすぎて毎日辛い。

友達は優しいから、私が話す君の話を聞いてくれるけど、私は君のいいところを100としたら1も伝えられてない気がしてならない。

君のいいところを全部、全人類に知ってもらいたい一方で、自分だけが知っている君のことを心の中に留めておきたい気持ちもある。オタクってね、結構めんどくさいんだよ。

 

だから友達に君の好きなところを聞かれるといつも困ってしまう。星の数ほどあるんだ。あげだしたらキリがない。オタクの私だけが知っていて、オタクじゃない友達は知らない君の姿とか。例えば君の「可愛い」と「色気」のギャップとか?でもそれを言ったところで私の友達は「また言ってるよ〜」で片付ける。それに苛立つと同時にどこかで安心してる自分もいる。

 

 

 

 

 

 

君が好きすぎて毎日辛い。

君のことを好きじゃなかったら多分全然違う生活をしているんだろうな、と思う時がある。元々妄想癖を若干拗らせている私の頭の中の捌け口が一体どこになるのか、考えるとゾッとする。全部君に還元している。君にドラマでこんな役をやってほしいとか、君にこんな歌を歌ってほしいとか、君にこんな演出で舞台に立ってほしい、とか。お金と行動力と勇気と、頭の中をきちんと整理して目に見える形にする能力と、あとは別世界があれば私はそこでまあまあの演出家にはなれるんじゃないかと思う。

君は多分、君自身が持つ色を失わないまま、どんな色にも染まることが出来る人だ。君の中には確かに「自分」という軸があって、その周りに「アイドルの自分」というものが分厚く重なっている。

 

 

例えるならば、君はバームクーヘンのような人だ。

「自分」という軸となる棒に、何層も、何層も、美味しくて甘い「アイドル」の生地を重ねて、焼き上げていく。君は食べれば食べるほど美味しいバームクーヘン。腹持ちもいい。私はバームクーヘンを一層ずつ剥がしながら食べるのが好きだ。外ではそんな食べ方絶対にしないけど。

だけど私は軸を知らない。私の手元にあるのは真ん中に穴が空いたバームクーヘンで、そこに軸があることは分かっているけど、軸の実体を見たことはないし、軸が一体何で出来ているのかも知らない。

 

 

君って、そういう人。私は君を知っているようで、何も知らない。でも、なんだかそれでいい気もする。自分の全てを見ず知らずの人間に知られるのはきっと、君じゃなくても決して気持ちのいい事だとは思わない。

だからね、君にはこれからも美味しいバームクーヘンを作ってほしい。

腹持ちいいって言ったけど、私は消化がはやい方なので適当な感覚で焼いてくれると嬉しい。私はバームクーヘンを嫌いになることなんてないから、余らすことなんてないから、いっぱい作ってね。その分、私が全部美味しく食べるよ。

 

 

 

 

 

君が好きすぎて毎日辛い。

自分が頑張れない時、やる気が出ない時、絶対に君のせいにはしたくない。私には君がいるから頑張れるのに、どうも周りの人たちには私が君に現を抜かしているように見えるらしい。

君は三度の飯じゃないけど、無いと毎日相当きつい。それは君の存在を知ってしまったからなのだろうか。

君の存在を知らなかったら、私は三度の飯だけで健やかに生きていっているのだろうか。うーん、それはなんだか味気ないな。

 

私の毎日には、君がいて、君が要る。

 

 

 

 

 

 

君が好きすぎて毎日辛い。

でもね、この辛さには耐えられるんだよ。どうしてか分かる?

それはね、これは私が望んだ「辛さ」だからだよ。

「君が好き」という事象の中には、君を好きになることでうまれる「辛さ」がある。君を好きになることは楽しいことばかりじゃない。だけど私は、君のことを好きになって辛くなる、この気持ちを体験することも楽しいんだよ。君は多分、なんというか、辛さも楽しさに交換してくれる魔法を持ってるんだと思う。

 

 

 

 

 

君が好き。大好き。

多分これからもずーっと君を見てる。

君を追いかけて、辛くなって、泣いて、散財して、時間とお金が無いって騒ぐんだろうな。

それでもね、これだけは分かる。

 

 

 

 

 

 

私は君のファンでいる限り、ずっと幸せだ。

だって君が好きなんだ。しかたないだろう。